ニュージーランド移住というオルタナティブな生き方と「水」との関わり

 

1.ニュージーランドに移住したレーニエのブログ 〜Slow country life in New Zealand

ニュージーランドに移住したレーニエのブログ                    〜Slow country life in New Zealand〜

 

Blessed Rain 恵みの雨  20152

お久しぶりでございます、グレースです。

気が付いたら、クリスマスが過ぎ、お正月もすっかり通り越して、はや、夏も終わりに近づいてきました。
グレースのブログは、3日坊主にさえなりませんでしたね・・・失礼いたしました。
今日は農作業を予定していましたが、雨が降っているので、ちょっと予定変更してブログに精を出してみたいと思います。

今夏のオークランドは、昨年末までは、これが夏か〜?と思うくらい、悪天候が続き、寒いくらいの毎日だったのですが、1月に入って晴天が続き、1か月以上、雨が降りませんでした。ビーチ遊びが大好きなKiwi達にとっては最高のホリデー!誰に会っても「Beautiful day!」と日焼けした最高の笑顔を見せてくれるのですが、実はこの田舎生活では、晴天続きも困りものなんです。

以前も冬場の停電の話で出てきましたが、実は、ニュージーランドのほとんどの田舎では、水道が通っておらず、雨水をタンクに貯めて生活用水として利用しています。当然ですが、雨が降らないと、どんどんタンクの水が減っていきます〜。
晴天が続くと、毎日タンクを覗き込み、子供たちは、厚い雲が来ると「雨降れ〜!」と祈ります。

そんな訳で、今日みたいに雨が降ってくれると、我が家のデッキはこぉんな感じになります。DSCF5007

バケツをいっぱい並べて雨水確保!(写真にないところにも、いっぱい並んでます!)
綺麗な水は、お洗濯、ちょっと汚れた水は家庭菜園に使っています。
他にも、シャワーでお湯が出るまでの冷たい水もバケツ!野菜を洗った水、お米を研いだ水もバケツ!バケツ大活躍〜♪

でも、そんなに頑張っていても、1か月の晴天続きは、やっぱり5人家族にはきつくって、とうとう1月末、初めて水を購入するハメになりました〜。涙
DSCF4939

給水トラック出動!今回は、タンク半分くらいで1万リットル入れてもらいました。
(1か月1万リットル使うんですね!)
真夏のオークランドでは、こういうトラックを見かけることがありますが、工事ではあり
ません!みんな同じタイミングで注文するので、水会社も大忙し!でも、このビジネス、
冬場は何をしてるんだろう???と思う今日この頃です。

 

2.ニュージーランド通信―芹澤 絵美さんのブログ

年始早々から世界が不穏。
サウジとイランが国交断絶したり、北朝鮮が水爆実験したり、日本にもISの連絡役が入り
込んでいたりと、なにかと大乱の2016年となりそうな予感。

そんななか、年末年始のホリデーにいったいどこに行ったらいいのか迷った方もおられる
と思います。
我が家にも日本からお客様が連日いらっしゃったのだけれど、地政学的、経済サイズ的観
点から言って、今1番安全なのは、実はここニュージーランドなんじゃないかと思って
います。

そう思っていたら、コラムニストの勝谷氏も同じことを言っていて、年末年始はニュージ
ーランドに来ていたそう。他にも同じこと考えている人はたくさんいるんじゃないかと。

私も、「なぜニュージーランドを選んだの?」とよく聞かれるのだけれど、北半球には
安全なところは一つもないのは無論であるし、南半球で安全そうといえば、オーストラ
リアかニュージーランドとなる。
オーストラリアを選ばなかったのは、単純にニュージーランドのほうが好きだったという
のもあるけれど、なにより、キウィの人柄が根本的にオージーよりも平和的なのだ。

テロの標的となるのはより知名度があるほうということで、ニュージーランドでテロを
やるメリットが無いわけで、今となってはそういう理由でも最も安全だと思う。

私が住むワイヘキ島などは、長らく世界から隠されたリゾート・アイランドだった
のだけれど、昨年ついに、ロンリー・プラネット誌が選ぶベスト・リゾート・アイランド
の5位に選ばれ、コンデ・ナスト紙が選ぶベスト・プレイス・リゾートの4位に選ばれ、
その存在が世界に知れ渡り始めてしまった気がする。

4年前、ワイヘキ島のサタデー・マーケットにて、ワイヘキアンの女性に「この島の
ことを誰にも言わないでね」と言われたのを思いだしてしまった。

オークランドから船で35分という島なので、今後観光客の増加、移住の増加、
開発などの波は止められないのかも。
とはいえニュージーランドなので、海水温も冷たいし、ハワイのようになる心配はない
だろう、とは思っているけれど、期待と不安が混ざる微妙な気持ち。

とはいえ、なるようにしかならない。
心穏やかにその行く末を見つめよう。

 2016/01/12 03:16

 

 

雨水タンク

http://www.apalog.com/seri-emi/img/1974/UDExMzAzNTa0_A.jpg


ニュージーランドは冬が雨季なので、雨がたくさん降る。
けれど、気温も低いので、草木の活動はまだ始まっていない。

春になって、雨量も少なくなり、日中には真夏日かと思うような日照が得られるように
なると、一斉に植物たちが動き出す。

春先の9月の半ばに、新しく芝生の養生を始めた。
種の発芽の為に、常に水まきが必要。
雨がきちんと降って、かつ気温も発芽温度を超えている、
そういうタイミングを狙ってみたのだけれど、
春の暖かさと共に雨が一気に減り、
結局、雨水タンクの水を大量に使うことに・・・。

そしてつい先週、5000ガロンのタンクが、1000ガロンを切ってしまった。
ということで、お水を注文。
4000ガロン近くのお水を入れた。
タンクはまだ満タンではなく、雨が降っても入る余地を残しておいた。

なにって、お水を注文した直後に大量の雨が降り、
タンクからお水が溢れてしまうことほど不経済なものはない。

それから数日後、2日間たっぷりと雨が降り、
タンクはあっという間に満タン!!

オーバーフローパイプから余った水が細い滝のようにこぼれ始めた。

http://www.apalog.com/seri-emi/img/1974/UDExMzAzNTSy-g.jpg


あ〜、もったいないと思いつつも、どうすることもできないので、つくづく、
お水を注文するタイミングって難しい〜と実感。

それでもあふれ出た量は200ガロンもなかった感じなので良しとする。

これからのカラカラに乾く夏に向けて、お水のデリバリー屋さんのスケジュールは
あっという間に埋まる。
なので、いつものペースで使って、どれぐらいの期間で残り1000ガロンを切るのか
計測し、早めにお水屋さんに予約を入れることに。(昨年は1ヶ月先まで予約が取れなかった!)

日本みたいに、暖かい季節になってから雨が多くなる、いわゆる梅雨みたいなのがあると、
植物の成長と雨量のバランスが良く助かるのだけれど、
それが無いおかげで湿度が低くカラッとした夏なんだよなぁ、とも思ったり、一長一短。

とはいえ、畑や芝生など根が浅いもの以外の自然の木々は、地中深くに根を伸ばし、
雨季の時期にたっぷり地中に蓄えた水分で、水まきなど必要とせずに育っていく。
きちんとこの環境に合わせて生きているのだ。

環境に合わせる。
人間もある程度やらねばね。

2014/11/03 06:35 

 

3.コラム〔Viva New Zealand

湯水のように使っても大丈夫?

リュウ・タカハシ 2009619

 

日本はアジアの中では一番西洋化しちゃってる国ですから(シンガポールも同じくらいかな?)、ニュージーランド(NZ)旅行(あるいは留学、ワーホリ滞在など)に出発するとき、カルチャーショックにそなえて身構えてる人は少ないようです。むしろ他のアジアの国に行く人の方が、カルチャーショック対策してるような感じさえします。

甘い。

語学留学やワーキングホリデーでホームステイした人たちは、相当なカルチャーショックをうけるのが普通です。

ありがちなのが、水のトラブル。
ホームステイして最初に言いわたされるのが「我が家はシャワー3分まで」だったりして、ビックリ仰天。
皿洗いの係を申しつけられ、はりきって洗ってしっかりすすいでいたら、「何もったいないことしてるの! 洗い終わったら、洗剤は布巾で拭きとるのよ!」と叱られて、ゲゲゲゲッ!

ちなみに「すすがないと身体に悪い」なんて口答えしようものなら「それは日本の洗剤だけ。こっちの洗剤は大丈夫!」と切りかえされるに決まってるので、黙っておきましょう。どうしてもすすがないとガマンがならない日本人、夜中にこっそり自分の食器だけすすぎ直していた、なんて話もよく聞きます。

 

そうなんです、キウィ(NZ人)って、ものすごく水の節約にうるさいんです。
残念ながら、僕はホームステイしたことがないので、こういうのは実際には体験してません。
ただキウィのお客さんを招いて食事して「あ、皿はオレが洗う」ってんでまかせると、やっぱりこれをやられます。ま、僕らももうこっちの暮らしが長いんで、そういう食器で気にせず次の食事をとりますが。すすぎ直すなんて、もったいない!
 

実は僕の場合、大学時代にオーストラリア留学経験者からこういう話を聞いてたんで、「ははぁ〜ん、なるほど、ホントだ」くらいのものでした。予備知識なしでいきなり体験してしまう語学留学生の皆さん、ご愁傷様。

しかしながら、キウィたちが非常にこまめに水を節約するのを見ていると、あらためて別の意味でショックを受けました。
というのも、やはり予備知識として、日本は水が足りない国で、NZは日本よりもはるかに水が豊富な国だということを知っていたからです。

 

え!?  と思った人、かなりいらっしゃるんじゃないでしょうか?
それともここ10年ほどは環境意識が高まってきてるので、日本の水不足ぶりもだいぶ浸透してきてるんでしょうか? この辺の感覚は、10年以上前に日本を離れてしまった浦島リュウ太郎には良く分からなくなってきております。

 

ともかく、日本は昔から「安全と水はただ」と言い習わしてきた国ですが、真っ赤な大ウソです。

検索すればたくさん出てくるので、もういちいちソースはあげませんが、日本の人口密度は337/km2NZ16/km2。日本は21倍の密度です。

ところが年間降水量は、日本の年間降水量は約1,800mmNZ2,000mm。むしろNZの方が多いんです。

どういうことかお分かりですか? 国民一人あたりの降水量をそろえようと思ったら、日本の降水量はNZ21倍、つまり42,000mmなきゃダメなんです。
逆にいえば、キウィ(NZ人)一人あたりの降水量は、日本人一人あたりの降水量はなんと23倍です。
つまり、キウィは日本人の20倍水を無駄づかいできる、ってことですよ。

 

ところが実際はどうでしょう。資料が古い本でもうしわけないのですが、『地球にやさしい生活術―緑の惑星を守るために、あなたが今日からできることhttp://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=ryuslogboo-22&l=as2&o=9&a=4484901056』をみると、国民一人あたりの水の使用量が出ています。

日本人一人が一日に使う量2,650リットルに対し、キウィは1,310リットル。20倍どころか、ちょうど半分ですね。

なるほどなぁ、確かに節約してるもんなぁ(ちなみにこの本の1987年発行(原書)ですから、今ではもっと開きが出てきてるような気がします)。

 

日本は、世界的に見ても、国民一人あたりの水が少ない国で、なんとサウジアラビアと比べても三分の一なんだそうですよ。
逆にNZは水が豊富です。
ところがキウィはことあるごとに「水がもったいない」といいます。日本ではほとんど耳にしないセリフです。

願わくば、NZでカルチャーショックを受けた留学生の皆さんがキウィの水ケチから良い影響を受け、日本に帰ってから「水がもったいない!」と言いつづけてくれるといいんですが。

でも帰ったとたんに、「あぁ、日本だといくらシャワー浴びても文句言われないから良いなぁ」なんて、ジャンジャン水を垂れ流してるんですかねぇ?
それじゃ文化交流した意味がないよなぁ......

節約しましょうね―水の乏しい日本の皆さん!

 

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