社民党は「怒りの受け皿」に

2010526

 

 

鳩山政権が沖縄基地問題で本性をあらわにした今、党勢拡張の千載一遇のチャンスが到来していることに、社民党の皆さんは気づいているでしょうか。

マスメディアや政治評論家の論調を見聞きするだけでは、国民の心の中で何が沸騰しているかは決して分からないでしょう。

前回の衆議院選挙で、特に小泉首相以降の自民党政治に(誰の予想をも上回る)決定的な「ノー」を突き付けたのと同様に、今回も国民の怒りは深く潜行して、それを爆発させる舞台を静かに待ち受けているのです。

 

鳩山首相が昨年の衆院選で移設先を「最低でも県外」と発言しながら、今回、それは「党代表としての発言で党公約ではない」と話したことについて、小沢幹事長でさえ「代表(の発言)と党の公約ということは、一般論で言えば同じようなことと思う」と述べています。

また、もともと県内移転に強く反対している社民党に何の相談もせずに日米合意を先行させたことは、200999日の「三党連立政権合意書」の第3項「調整が必要な政策は、三党党首クラスによる基本政策閣僚委員会において議論し、その結果を閣議に諮り、決していくことを確認する」に違反していることは明白です。

鳩山首相周辺が、社民党は「舌先三寸で丸め込むことができる」と考えていることは疑問の余地がありません。

 

このタイミングで社民党にとって最悪の選択は、「政権与党」のご利益にしがみついて、ずるずると決断を先延ばしにすることです。

選挙対策として「連立の成果」を利用しようとするのは、自縄自縛の最たるものです。国民は「連立をコケにされて何を言うか」と思うだけでしょう。

日米合意を取り付けたことがすべてです。この先、夏になり秋になり、そしてオバマ大統領が来日したとしても、辺野古への移設方針が覆る可能性がないことは、少し「大人のアタマ」で考えれば直ちに洞察できるはずです。

民主党や国民新党の「タヌキさんたち」が、間違いなく今後も連発する使い古された詭弁(レトリック)に注意しましょう。その口車に乗せられてしまうようでは、社民党の存在意義は無くなり、国民から見放されて衰亡の一途をたどることになりかねません。

一刻も早く連立政権から離脱して、基地問題と抱き合わせで選挙戦を戦う態勢に入るべきです。多くの国民は喝采をもってそれを迎えるでしょう。

 

社民党が、これまで一貫して県内移転に反対してきたことは大きな宝です。それが力になり、エネルギーになります。

また、参議院選挙が目前に迫り「準備の時間がない」ことも、社民党への追い風になるでしょう。「怒り」が冷める前に投票日が来るからです。

泥縄で結構だから、全選挙区に候補者を立て、比例区にも目いっぱい候補者を立てることを目標にするべきです。候補者を公募する手もあるでしょう。「政党名」が票に結びつきます。

「選挙の常識」など最初から無視してかかりましょう。マスメディアや評論家の言うことに、一切耳を傾ける必要はありません。もはや彼らは、時代を読む見識を持っていないのです。

 

民主党が「第二自民党」である実態をさらけ出して、「二大政党という日本の実験」は完全に失敗に終わりました。「二大政党」も「民主党」も、幻想でしかなかったのです。いま国民の思いは、「自民党は二つ要らない」ということでしょう。

世界的にあらゆるフロントで「旧システム」が行き詰まり、すべてが変わろうとしている「今という時代」には、どんな奇跡でも起こり得ます。それこそ「山が動く」ことになるでしょう。

国民と同様に「民主党という幻想」に夢を託そうとした、民主党の中の心ある議員たちを迎える心積もりを、社民党は今からしておくといいと思います。

 

ちなみに、鳩山政権が頼りにしている「北朝鮮カード」の本質は何でしょうか。独自の調査もしないで韓国政府の発表をそのまま飲み込んだようですが、確信はあったのでしょうか。

北朝鮮は魚雷を輸出しているから、それを入手した別の勢力が使うこともできたでしょう。例えば、あの「911」を起こした連中が、恐怖の出来事を起こして国家や民族の対立を煽るという同じ動機で、今回の事件を引き起こした可能性もあります。

いずれにせよ今は、「戦争」に焦点を当てて事を運ぶ時代ではありません。

日本の貿易総額で5割を超えるまでになったアジアとの友好関係を中心に置かずに、外交や安全保障を構想するのは時代錯誤の極致というべきでしょう。

 

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沖縄基地問題の本質

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