【目次】
(10/03) エゴに点火するシステム
(10/03) エゴに点火するシステム
(Q) 省略
(A) 拝見しました。
Tは、たいへん巧妙に造られたシステムなので、いったんセミナーなどに参加すると、健康上の悩みや生活の苦境を何とかしたいという当初の動機は棚上げにして、「あらぬ方向」へ行ってしまう人が少なくないだろうと思います。
主な特徴として、次の3点が考えられます。
第1は、人類一般の「神」に対する認識からすれば、多くの人が抵抗できない「神」を引き合いに出して、「神に願い実現してもらう手法を教える」ことを標榜している点です。
つまり、「神を自分の外に置く」地球人類に共通する「伝統的な」考え方を利用しているわけです。
しかし「神」は、特定の個人の問題に直接手を出して、それを変えるようなことはしません。
個人が抱えている問題は、何かの理由があって個人が造り込んだものです。
その原因に本人が気付いて、自分の力で治していく、または癒していくことを通じて、魂が進化していくのが宇宙の仕組みだからです。
肉体的なものや物質的なものでなく、「魂の進化」こそが進化の本質です。
この構造に、もし「神」が介入すると、この宇宙では進化は起こらないことになります。それは、「神」が最も望まないことのはずです。
したがって、願望が実現する場合に、特に奇跡的なことが起こるケースではなおさら、実際に起こっていることは、自分の「神としての側面」の働きなのです。
「神」は、あなたの外にいるのではなく、あなたと事実上一体で、あなたが「神」そのものです。
大元の「神(根本創造主)」は、あらゆる場所に遍在して(「分身」としての)個々の「神」の(つまり、あなたの)活動を同時体験し、それを通じて進化していく存在です。
第2に、少なからずの人が関心を持っている「DNAの活性化」を、前面に出していることです。特に、人類は宇宙で最低レベルの2条のDNAしか持たない種族に成り下がっているものの、それをレベルアップする潜在力は保持されていることを知った人には、「DNAの活性化」は無条件に魅力的に思えるでしょう。
Vのサイトを見ると、染色体を含めDNAに関連する「学識」が延々と述べられています。その多くは既知の事実ですが。
そして、人類意識の上昇を背景として、12年から24年後には、人類全体のDNA活性化が、自動的に起こると信じていると書いてあります。
ところが、それに続いて、DNAを個人として「瞬間的に」活性化させる「コマンド(「神」への要求)」が出てきます。
一方、別のQ&Aの箇所では、「(直感的には)12条のDNAが活性化される」と書いてありますが、同時に、些細なことは気にしないように、とも言っています。
つまり、DNAが実際にどうなるかについては、確信が持てないということでしょう。
しかし、いま人類のアセンションを支援するために地球へやって来ている宇宙の同胞たちの(「宇宙の計画」に従った)狙いは、今回のアセンションを契機として人類全体を、宇宙で最低の「第1レベル」から「第2レベル」へ引き上げることです。そして、そのDNAに関する側面は、現在人類が持っている2条のDNAに対してもう1条を発達させる(つまり3条にする)ことです。
ところが、このサポート活動が、主として人類側の事情によって難航を極めており、2012年末という巨大な転換点を考慮すると、時間的にギリギリのところに追い込まれているのが実情です。
意識の状態とDNAは表裏の関係にあり、意識の向上には、各人が潜在的に持っている様々な性質の恐怖やエゴを表面に浮上させて、それを正しく認識した上で、手放していくというプロセスを欠かすことが出来ませんが、この部分が、「難航」の最大の要因になっているのです。
第3の特徴は、初級レベルのコースを1回受講するだけで、理解度や素質に関係なく、誰でも「ティーチャー」を始められるとしている点です。
しかも「料金」が高めに設定されているから、最初のセミナーなどへの投資は、軽々と回収できるという計算になります。受講者を集められれば、の話ですが。
おそらく普通は、数段階ある上級コースのいくつかを受講した上で「開業」を目指すケースが多いでしょう。しかし、かなりの人が、「開業」へ行く前のどこかで挫折することになるのではないでしょうか。
いずれにしても、「あらぬ方向」を受講者たちが目指すようになり、その間に「大金が動く」ことになります。そして、「ティーチャー」の粗製乱造が行われることになります。
インターネットを見ると、このシステムによって、世界中で同じようなことが行われている様子が垣間見えます。
Vのサイトでは、「無条件の愛」が盛んに出てきますが、「集ってきた人たちのエゴ」がどう働くかを見落としています。次をご覧ください。
しかし、ついに、私たちが地球でいつも直面する問題が持ち上がりました。エゴの問題です。私たちが接触していた人たちのうちの何人かは、自分自身のエゴに影響され、私たちが彼らを通じて伝えようとした情報とメッセージをあいまいなものにし、ゆがめてしまいました。そしてそのメッセージを聞こうと集まった人たちのエゴもそうだったのです。
「エゴにとらわれたケースでは、『コンタクティー』はたいてい、自分は『特別に選ばれた』人間だと思うのよ。完全に地球人の外見をした完璧で高貴な宇宙人タイプの存在によって選ばれて、自分は、『惑星を救う』ため人類にメッセージを広めるのだ、とね。彼らは多くの場合、結局はカルトのような追随者を集めるようだけど・・・」
これは『アセンションものがたり』の一部ですが、人類の進化をサポートしようと宇宙の同胞たちが善意で始めた活動が、地球人類が一般的に持つエゴや依頼心によって、歪められていく状況を説明しています。
Vに関して言えば、おそらく彼女が、何らかの奇跡的な体験をしたことは事実でしょう。
問題は、それを「神」がやってくれたと信じたことです。
そして、さまざまな条件が合致して、たまたま起こった極めて個人的な体験を、誰にでも適用できるものと確信して形式化したことです。その形式化は、彼女のHPも含めて、彼女一人の作業ではないでしょう。彼女の「取り巻き」の考えも、かなり入っているように見えます。
彼女自身は善意で始めて、今でもその思いでやっていると思いますが、出来上がったシステムの構造と、その普及が起こす「しもじもの実情」は、その「善意」に応えるようにはなっていないようです。
このシステムを、この世界に無数にある、「自己実現」あるいは「現実創造」のコースと見れば、それなりの効果は場合によってはあるか知れません。
しかし最大の問題は、基本認識の誤りに加えて、「集ってくる人たちのエゴ」に点火して、彼らに独自の動きを始めさせる構造を内蔵している点にあるといえます。
そして、いつの間にか、お金そのものが彼らの目的になり、お金を払う側との(いわば「費用対効果」の)「アンバランスな関係」が生み出すカルマを、溜め込んでいくことになるのです。
そこには、表面で説かれる美しい言葉とは裏腹の、「弱者への思いやり」や「愛」からは大きく隔たった、自分さえよければ何でもいいという世界が見てとれます。
これによって意識が、したがってDNAが、レベルアップすると考えられるでしょうか(「意識のレベル=DNAのレベル」です)。
いずれにしても、これに関わることによって、「アセンションへのパスポート」が得られる性質のものとは考えられません。
ここでの教訓として大切なことは、@人の言葉を鵜呑みにしないで、何事も「自分の頭で考える」ようにすること。A自分が本来持っている力を信頼し、宇宙のメカニズムとその働きを信頼すること。B差し出すものと受け取るものとのバランス(いわゆる「授受のバランス」)を尊重することです。
ここで、Tは別として一般論を言えば、アセンションへのプロセスを効果的に進めるために、イメージや意図の力を有効活用することは、むしろお勧めできることです。例えば、添付ファイル(「チャクラのワーク」)を静かな環境でゆっくり(出来れば声を出して)読んでみてください。
その際、具体的に何かを感じたり見えたりしなくても結構です。重要なことは、あなたの身体とそれを構成する細胞たちに伝わること、そして宇宙へ(宇宙のメカニズムへ)インプットされることです。
幸い、そのどちらも超高感度の「受容器官」なので、それを完全に信頼して行えば、問題なく達成されます。もちろん、ハイヤーセルフは、全プロセスを認識しています。
そうした場合の個人的感覚は、それぞれの人の今生での目的や持ち味によって違ってくるものです。どれが優れているということはありません。現段階では、違いがあって当然です。それぞれの役割を果たした上で、最後には、皆が「大元(おおもと)」に帰還するわけですが。
したがって、何も感じなくても、「神」に見捨てられていることを意味するわけではありません。あなた自身が「神」の一部だから、そもそも、つながりを切ること自体が不可能なのです。
一度だけでなく、かなり期間をおいて再びやると、感じ方が変わってくると思います。
なお、このワークは、バーバラ・マーシニアックの『パス・オブ・エンパワーメント』(邦訳『アセンションの時代』)の一部です。
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