目を覚まそう―TPPに潜むこれだけの危険・(アセンション時局’13)
[2013年 4月7日]
ここでは、少しずつ「TPP(Trans Pacific Partnership:環太平洋経済連携協定)」の核心に迫っていく構成にしました。
◆手始めとして、NHKラジオ「ビジネス展望」にある二人の方の見解を聴いてみてください。
http://www.nhk.or.jp/r-asa/business.html
1.山下一仁さん「TPP交渉
今後の見通しは」(3月19日)
これは、農業(だけ)に焦点を当てた立論。
農業に限っても、「所得補償すれば問題ない」という考え方で、
@「食糧安全保障」の観点はゼロ(先進国でダントツ最低の「食糧自給率」は改善するどころか、ますます下がり続ける)。
A日本が「耕作放棄地だらけの荒廃した国土」になる姿をイメージする感性はお持ちでないようです。
ちなみに山下さんは元農水省官僚で、現職はキヤノングローバル戦略研究所
研究主幹、「学者」や業界団体で構成される「TPP交渉への早期参加を求める国民会議」のメンバーでもあります。
2.金子 勝さん「TPP参加表明は何をもたらすか」(3月20日)
こちらには、全体像を総合的にとらえた問題提起があります。
@昨年末の総選挙で自民党が掲げた「6原則」がどうなったかが問題(下記の別項参照)。
A大統領の権限は限られており、すべては議会が決めること。2月の「安部−オバマ会談」で(「例外なき関税撤廃」の1項目に絞って)譲歩を勝ち取ったように言うのはおかしい。「6原則」について、実質的に約束されたものは何一つないと見るべき。
B時間的にも、(素案が2000ページもあると言われ)年内決着を目指すという交渉に、参加しても関わる時間は極めて限られる。後から参加したカナダやメキシコのように、既に決まっていることを丸呑みさせられるだけになるのではないか(下記の別項参照)。
C農業についても、大規模化などの構造改革をして輸出産業にするというのは机上の空論。農家の平均耕作面積はアメリカ200Ha、オーストラリア3000Haに対して日本は2Ha弱。しかも中山間地が多いので、集めて20Haや30Haにしたところで機械化の効率は上がらない。
D農業以外に多岐にわたる難しいテーマがあるが、参加を表明する前に詳細な議論が行われた形跡がない。
ETPPには、中国・インド・韓国などは参加していない。別に「東アジア地域包括的経済連携(RCEP:アールセップ)」が進行しており、日本のTPP参加は「成長するアジアを取り込む」どころか、逆に孤立することになりかねない。
FTPPの本質は、他国を「資源国アメリカ」のルールに従わせるという「現代版ブロック経済化」の動き。
◆自民党の「党としての公約」はどうなっているでしょうか(同党の「現在の」HPより)。
TPP交渉参加の判断基準
・政府が、「聖域なき関税撤廃」を前提にする限り、交渉参加に反対する。
・自由貿易の理念に反する自動車等の工業製品の数値目標は受け入れない。
・国民皆保険制度を守る。
・食の安全安心の基準を守る。
・国の主権を損なうようなISD条項(注)は合意しない。
・政府調達・金融サービス等は、わが国の特性を踏まえる。
(注)ISD条項・・・外国政府の差別的な政策により何らかの不利益が生じた場合、投資家(Investor)である当該企業が相手国政府(State)に対し、差別によって受けた損害について賠償を求める(Dispute)権利を与えるための条項。これが濫用されて、政府・地方自治体が定める社会保障・食品安全・環境保護などの法令に対し、訴訟が起こされる懸念があります。
これは具体的には、先の衆議院選挙で同党の「政権公約に記された6項目」のことです。
(1)農林水産品における関税=コメ、麦、牛肉、乳製品、砂糖等の農林水産物の重要品目が、引き続き再生産可能となるよう除外または再協議の対象となること
(2)自動車等の安全基準、環境基準、数値目標等=自動車における排ガス規制、安全基準認証、税制、軽自動車優遇等のわが国固有の安全基準、環境基準等を損なわないこと、および自由貿易の理念に反する工業製品の数値目標は受け入れないこと
(3)国民皆保険、公的薬価制度=公的な医療給付範囲を維持すること。医療機関経営への営利企業参入、混合診療の全面解禁を許さないこと。公的薬価算定の仕組みを改悪しないこと
(4)食の安全安心の基準=残留農薬・食品添加物の基準、遺伝子組み換え食品の表示義務、輸入原材料の原産地表示、BSE(牛海綿状脳症)基準等において、食の安全安心が損なわれないこと
(5)ISD(投資者・国家訴訟制度)条項=国の主権を損なうISD条項は合意しないこと
(6)政府調達・金融サービス業=政府調達および、かんぽ、郵貯、共済等の金融サービス等の在り方についてはわが国の特性を踏まえること
まことに立派な公約ではないでしょうか。
これは昨年末、民主党の野田前首相がTPPに向けて独走し始めた時期に、対立軸として自民党が掲げたもので、現在も「生きて」います。
これらによって自民党は年末の衆議院選挙に圧勝し、一方では一途に「消費税アップが必要だ」と妄信した野田前首相は、(党勢が長期低落してきてどん底に陥っている中で)衆議院解散を自公との取引材料にして、「民主党をぶっ壊した」わけです。
その前に小泉元首相が、独断専行を重ねた結果として(自らの約束通り)「自民党をぶっ壊した」前例があります。
二度あることは三度ある?
◆同じ政治家でも小沢一郎「生活の党」代表は、同氏独特の「動物的な勘」が本件については健在のようです。
TPP交渉参加について(3月18日の記者会見)
(質問) 3月17日付の毎日新聞に、TPP交渉参加支持63%、安倍内閣支持70%という世論調査結果が掲載されていたが、この結果に対する感想は。
またTPPも安倍内閣も、本質的なことについて大手メディアが報道しないため、イメージとして何かいいことがあるのではないか、と国民は思っているのではないかと思うが、どう考えるか。
(回答) おっしゃる通り、イメージ、何とはなしのムードがそういった数字に出ているのではないかと思う。
小泉(純一郎)氏が構造改革のいの一番が郵政だと、これさえやれば他の改革もすべてできる、という類の話をしながら進めたわけだが、結果として国民の所得は、小泉内閣以来今日に至るまで、ずっと下がりっぱなし、減りっぱなしである。その上、様々な形での増税、来年からは消費税。
こういった中、今アベノミクスという言葉が飛び交って、メディアもそれを報道しているので、国民の一般的な受け方としては、景気も良くなるのではないだろうか、自分たちの収入も増えるのではないだろうか、といった期待感の中で、漠然とそのような支持という数字になるのだろうと思う。
TPPも、何かいいことがあるのだろうということが先行して、現実にTPPの本質的なことや、農業だけではなくして、医療、郵政、知的所有権等々、いろんな分野で日本社会の制度的なものを変革させかねない、非常に国民生活に密接な、危うい、危険な要素を持っているということを、国民は全く、今の雰囲気の中では考えていない。
そういうことで、TPPの支持というのも、何とはなしに多くなっているのだろうと思う。私は、結果としてリスクを負うのは国民、大衆であるので、ぜひ国民の皆さんには自分自身の目で見、確かめて行動してもらいたいと思っている。
(質問) 3月15日付で出した小沢代表の「安倍総理のTPP交渉への参加表明を受けて」という文章の末尾の部分に、「各界各層と連携し闘っていく」とあるが、「各界各層」とは具体的に何を指すか。例えば民主党内のTPP慎重派との連携を視野に入れているのか。
(回答)文章として「各界各層」ということになるが、基本的には国民の皆さんである。
国民の皆さんは、先ほど言ったように、何かいいことがある、心配はいらない、日本に都合の悪いことは絶対守ることができる、という簡単な認識でいるのではないか。メディアもそういう雰囲気での報道なので、そこに大きな落とし穴があるのではないか。多分、具体的に進んでくれば、国民の皆さんも、非常に大変だ、ということになるだろう。その時では遅いかもしれないが。
具体的に、例えばこの間(岩手)県連の設立の会合に出たが、その時に岩手県の農業ということで試算したら、生産額その他の数字で言うと、ほぼ半分という壊滅的な数字になってしまう。それを農業団体がどう受け止めるか。一般の生産者がそれをしっかり認識するまでには少し時間がかかるのではないか。我々はそういう人たちに対しても、事実認識と皆さんの判断を求める。
医療でもそうである。混合医療の規制をもっと緩やかにして取っ払っていけば、皆保険は事実上崩壊してしまう。それでいいのですか、と言えばだれもいいとは言わない。
そういう意味で、事実関係を多くの国民の皆さんに、理解し、認識してもらうという運動であって、誰とか、何党とか、という以上に、大きな範囲で考えていかなくてはいけないのではないかと思っている。
ここに出てくる「混合医療」とは、新しい先端的な医療を「国民皆保険」の枠外(自己負担⇒民間保険)にするという(アメリカが主導する)保険業界の考え方で、例えば、MRI、PET、CT、透析、腫瘍マーカー、超音波尿路結石破砕術などが想定されています。
財務省は、混合医療を解禁した場合は保険給付を2割減らすと言っているようですが、そのトバッチリがどこへ行くかはお分かりでしょう。
同じ流れで、国民医療費削減の決め手の一つとして自治体などが推奨している「(低価格で内容や効能が同等の)ジェネリック医薬品(後発医薬品)」の使用にも、タガが嵌められる可能性があります。
◆TPPへ遅れて参加したカナダとメキシコが呑まされた条件(東京新聞のスクープ:3月7日)
環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加問題で、2011年11月に後れて交渉参加を表明したカナダとメキシコが、米国など既に交渉を始めていた九カ国から「交渉を打ち切る権利は九カ国のみにある」「既に現在の参加国間で合意した条文は原則として受け入れ、再交渉は要求できない」などと、極めて不利な追加条件を承諾した上で参加を認められていた。複数の外交関係筋への取材で7日分かった。
各国は今年中の交渉妥結を目指しており、日本が後れて参加した場合もカナダなどと同様に交渉権を著しく制限されるのは必至だ。
関係筋によると、カナダ、メキシコ両政府は交渉条件をのんだ念書(レター)を極秘扱いしている。交渉全体を遅らせないために、後から参加する国には不利な条件を要求する内容だ。後から入る国は参加表明した後に、先発の国とレターを取り交わす。
カナダなどは交渉終結権を手放したことによって、新たなルールづくりの協議で先発九カ国が交渉をまとめようとした際に、拒否権を持てなくなる。
東京新聞(3月7日夕刊:電子版全文)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013030702000237.html
カナダやメキシコより更に遅れて参加する日本に、それ以上の好条件が与えられることはない――これが常識というものでしょう。
◆日本政府は既に「無礼で不公正な条件」に合意していると米交渉担当官が明言した、という情報もあります。
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/67417 (この中のYouTubeは14分32秒)
この情報をもたらした内田聖子さん(アジア太平洋資料センター
事務局長)は、アメリカNGOの一員として「シンガポールで行われたTPP第16回交渉(3月4日−13日)」に「参加」したとのことです(企業や業界団体、そしてNGOは公式に招聘されています)。
もちろん各国の交渉担当官が折衝する部屋には出られませんが、会場となった巨大なホテルでのティータイムやオフの時間には、交渉担当官にコンタクトする機会があるわけです。
ご存知のようにアメリカ人は基本的にオープンで、(日本とは違って)NGOを尊重します。
そして交渉テーマの中身の話ではないので、軽い気持ちで「真実を」話してくれたのでしょう。それが漏れると「日本政府関係者の顔色が変わる」などとは夢にも思わず。
◆アメリカの市民団体「パブリック・シチズン」のロリ・ウォラックさんが、リークされたTPPの極秘文書を分析(YouTube動画、邦訳字幕つき:15分強)
http://www.youtube.com/watch?v=HLVKAalmD48&feature=player_embedded (15分22秒)
これはまるで、「日本と日本人への警鐘」として話してくれているようですが、後述するように、それを超えた人類全体にも関係する「根深い問題」があります。
まずは前者の例として次があります。
@国家の利害よりも外国の投資家を優先する貿易交渉
A製薬大手の特許権を拡大する規定があり、医薬品などのコストを押し上げる
B全26章のうち貿易関係は2章のみ、他はみな企業に多大の特権を与え、各国政府の権限を奪うもの
C国内の法も規制も行政手続きも、TPPに合わせることが要求される
D医薬品や種子の独占権が強化され、「後発医薬品」を阻止する案まである
E地場産業の優先を禁じるなど、地方行政にまで干渉する
F環境や人権に配慮する施策も、「ISD条項」による提訴の対象になりかねない
いかがでしょうか。アメリカ人でさえ「自国の問題として」危惧するこれらの内容は、日米の資源的なポジションの違いや力関係を考慮すれば、日本に対してはアメリカの何倍もの悪影響として跳ね返ることは疑問の余地がありません。
このうちCに関連して、「韓米FTA」という二国間協定を選んだ韓国では、2012年3月に発効してから現在までに(米国の要求通りに)改訂した法律・法令は66件もあります。しかも貿易は縮小傾向にあり、双方とも、満足できる成果は得られていません。
なお、このYouTube(邦訳字幕つき)が掲載されたのは2013年2月26日ですが、問題の文書がリークされたのは2012年6月なので、オリジナルのYouTubeがアメリカで掲載されたのはその後の早い時期(7月〜9月頃で遅くとも大統領選挙前)とみられます。
次に、人類全体にも関係するTPPの「根深い問題」については、こう指摘しています。
@交渉が極秘で行われ国会議員でさえ内容を知らされない。交渉は既に3年目だが1行たりとも公開されていない。こんなひどい草案を、リークによって始めて知るとは。おまけに締結後4年間は非公開という密約まであった。
Aまさに見事な「トロイ(トロイア)の木馬」で、通りのいい看板の裏に表に出せない内容を密かに仕込む。「1%」が、私たち「99%」の生存権を奪うツール。
BTPPの狙いは貿易ではなく、セメントのような作用。一度固まったらおしまい。全員が同意しないと変更できない。
Cリークされた草案が示唆するのは、司法の二重構造。国民は国内法や司法制度によって権利を守り要求を進められると思っているが、企業は別の司法制度を持ち「インチキの国際法廷」に加盟国の政府を引きずり出して、勝手に集めた3人の弁護士が政府に無制限の賠償を命じる(NAFTA:北米自由貿易協定にも似た制度があり、有害物質規制や都市計画法の補償として既に3億5千万ドルが企業に支払われた)。
Dいったん固まれば、広く参加国を募り、企業の特権を保証する世界的な協定になりかねない。TPPは、強制力のある「世界統制体制」に発展する恐れがある。
E交渉の行方によっては、既存の国内法が改変され進歩的な良法が無くなるばかりか、新法の制定さえもできなくなる。
Fこれらの過激な条項を推進するのは専ら米国政府(USTR:アメリカ合衆国通商代表部)。
上記Cにある「インチキの国際法廷」というのは、投資家対国家の紛争解決のためにTPPのような国際取引協定で採用されることがある「ISD(Investor State Dispute)条項」に関連することで、当事者が選ぶ仲裁人(弁護士)に裁判官のような中立性が期待できず、国家に過大な負担を押し付ける「談合」で決着するケースが多いことを指しているとみられます。
以上の話は、次項へつながります。
◆TPPの裏にある人類全体への危険
まずは、「オバマ大統領の限界」をしっかり認識して、彼に過大な期待を抱かないことが肝心です。
情報が上がっていく過程に数十の関門があるといわれる実情では、大統領が知りうることは真実の断片、場合によっては真実が大きく歪められた姿でしかないでしょう。
上記したロリ・ウォラックの分析にもありますが、オバマはTPPの細部やUSTRが何を考えているかについては、ほとんど何も知らず、外交の場ではUSTRが用意した役回りを演じているだけでしょう。
銃規制の問題にしても、「銃さえなければ」という単純な発想で彼は動いていて、それが究極的に市民や国家に何をもたらすかについては、まったくお気づきでないようです。
その証拠は、アメリカの代表的な経済誌Forbes(フォーブス)が報道した「16億発という膨大な銃弾の購入」のことを、もし知っていたら「ノーベル平和賞受賞者」でもある彼が許すわけがないことです。
発注者は「ペンタゴン(国防総省)」ではなく「DHS(Department
of Homeland Security:国土安全保障省)」だから、「内戦」を想定したもの以外には考えられません。それには、国際法で禁じられている「先端が空洞になっていて殺傷力が高い銃弾(hollow-point
rounds)」も含まれています。
この記事に書いてあるように、イラク戦争で使用した銃弾は最高でも月当たり6百万発以下だったから、16億発は20年以上にわたり同種の戦いを「アメリカ国内で」遂行できることを意味します。
それだけでなくDHSは、イラクやアフガニスタンから送り返された重装甲兵員輸送車の確保にも動いています。
〔http://modernsurvivalblog.com/government-gone-wild/latest-homeland-security-vehicle-street-sweeper/〕
もっと卑近な例として、「空軍機によるケムトレイの散布」があります。アメリカでのその激しさは、日本の比ではありません。
〔@:http://www.youtube.com/watch?v=78rKNoR4T0w
〕(7分6秒)
〔A:http://www.youtube.com/watch?v=mcZaJEMsSwM&NR=1&feature=fvwp
〕(10分27秒)
「軍の最高指揮官」としてのオバマは、おそらく何も知らないでしょう、もちろん知らされるわけもないですが。
Aにも出てくるように、ケムトレイル散布の〔ON/OFF〕が見られるということは、それが「飛行機雲ではない」ことの証明です。
同様の散布事例は日本でも見られ、同高度を相前後して飛ぶ同種の機体で、散布するものと散布しないものが観察されることもあります。
「飛行機雲」は自然現象だから、人為的に〔ON/OFF〕することは不可能なのです。もちろん「雲(排気)」の姿も全く違います。Aの冒頭の映像のように、明らかにエンジンとは関係ない個所から排出(散布)されている場合は、言うまでもありません。
【注】米空軍の「飛行機雲」の定義:1万メートル以上の高空で、暖かいエンジン排気が急冷されて氷の結晶になるもので、かなり急速に消えていく。
1961年1月にJFK(ケネディ大統領)と入れ替わりに離任した、アイゼンハワー元大統領(元陸軍元帥、第二次大戦のヨーロッパ戦線では連合軍最高司令官)の有名な離任演説があります。
「国家統治機構の者が相談し合って、軍産複合体が――意識して求めたかどうかは別として――正当でない影響力を獲得することを警戒しなければならない。不適切に与えられた力が、破滅的に増大する可能性があり、それは簡単には消えない。この複合体の影響力が、われわれの自由や民主的な手続きを脅かすことを許してはならない。どんなことでも、それを当然のことだとみなすことは危険だ。この産業と軍からなる巨大な軍事機構と、われわれの平和的な手法と目的を力ずくでかみ合わせて、安全と自由とを共に伸張させることができるのは、用心深く聡明な市民だけなのだ」
今に始まったことではありませんが、大統領の知らないところで様々なことが進行している――これが、何十年にもわたるアメリカの実情です。
JFKとオバマの違いは、JFKにはアイゼンハワーという前任者がいて、おそらく離任演説では触れなかったことも詳細にわたって引継ぎしてくれたでしょう。
一方、オバマの前任者は(不幸にして)ブッシュだった。引継ぎは、通り一遍のことだけだったでしょう。そして(地方議員から連邦上院議員を一期務めただけで大統領になり、薄々何か異常なものを感じても自ら調べる余裕もないまま)ブッシュが残した「負の遺産」の処理に忙殺されているうちに4年が過ぎてしまった、という状況でしょう。
以上は氷山の一角に過ぎませんが、アメリカを相手に何かを進める場合は、政治機構を始め社会の隅々まで「実効支配」している「裏の支配構造(つまりヤミの勢力)」の意図や影響を無視することは極めて危険です。
TPPには、彼らの狡猾で巧妙、そして遠く先まで睨んだ仕掛けの匂いが芬芬(ふんぷん)としています。ロリ・ウォラックの分析は、あからさまに口には出していなくても、それを充分に嗅ぎつけていることが現れています。
それは、「企業対政府」という言葉が与える単純な構図ではなく、「映画Thrive」が明かしているように、「多国籍企業⇒軍産複合体⇒裏の支配構造⇒ヤミの勢力」という構図です。
そして彼らにとって「政府/国家」とは、単に支配のための道具で、弱ければ弱いほどいい。無くても痛痒を感じない存在。
真の敵は市民でしょう。だから市民から銃を取り上げる仕掛けをし(サンディフック事件)、上記のように「内戦」への武装も怠らないわけです。
TPPは、彼らがアメリカの外へ支配構造を拡大して「地球完全支配の野望(いわゆる“New World Order”)」を実現するための、「搦め手」を使った遠大な仕掛けとみるべきです。
「〔9・11〕のような大規模なたくらみ」は、ことごとく「宇宙」によって未然にブロックされるようになったので、彼らは別の方向で「頑張って」いるわけです。
一方、彼らの古くからの命題として、「限りなく地球から収奪させる」ことがあります。
これについて、「彼らだって気持ちよく地球で住みたいと思うでしょうが」とか、「(ケムトレイルに関して)彼らだって妻子がいるでしょうに」などという素朴な疑問は、まったく意味をなさないことを知っておきましょう。
彼らは、人間の姿をしていても、その本質は人類とは別の種族なのです。それに該当するのは、組織の頂点に立つ一握りの者たちだけですが(『アセンションものがたり(下)』参照)。
ご存知のように、上の命題をベースとした「どこまでも成長し続けることが最善のこと」という暗示には、「老いも若きも(先進国も途上国も)」すでに完全に嵌ってしまったようです。
したがって、「いま現在」さえ良ければそれでいい、その先に何が待ち受けているか(資源がどうなるか、汚染がどうなるか、廃棄物をどうするか、心身の健康がどうなるか、人間以外の生きものがどうなるか、宇宙的にどういう影響があるか)などは知ったことではない。
一人の人間が持つ時間や消費能力に限りがあること、本筋として「別の生き方」があることなど、思いも至らない・・・。
だから「乗り遅れるとまずい」という暗示に、簡単に引っ掛かってしまう。
TPPにのめり込む者の「レーゾン・デートル(存在理由)」は、突き詰めればこれだけです。
【関連】
・「環境 9・11」:メキシコ湾オイル流出の闇(イエスのメッセージ)
・新時代の幕開け(『タスマニアの羊』復刻版:春秋社1993初刷、1994二,三刷)
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