いま、時代は、「巨大な転換点」に向けて「急加速」しています。その一方、数多い地球の生命の中で人類だけが、自然との調和を実現できず、気づかぬまま本流から外れて、ますます混迷を深めているようにみえます。この動きを、漠然とでも、感じられるでしょうか。
日常、大量の情報が報道されていますが、人類の命運に関わる重要な事実は、ほとんど枠外におかれています。情報源を、通常のマスメディアに限らず、広く深く求めていくことが望まれます。しかし、あらゆる情報を決して鵜呑みにしないでください、このシリーズの情報も含めて。
何が本質か、何が地球や人類の未来にとって価値あることかーーこれを判断の基準に置き、表面からは見ることができない、時代の流れを感じ取るようにしなければなりません。基本認識が狂っていることが、「混迷」の原因です。視点の軸が正しくなれば、具体的な対応方法は、自然に生れてくるでしょう。
最終的に頼りになるのは、あなたの感性だけです。
1997年 冬至の日に
小松英星
いまこの日本で、あるいは世界で、「時代の歩み」が順調だと思う人は、ほとんどいないのではないでしょうか。政治、経済、国際関係、企業経営、環境・食糧・健康・福祉、そして教育。次々とあの手この手が創案され、実行されていますが、やればやるほど「泥沼」にはまり、混迷を深めていくように見えないでしょうか。
それは、手段の是非よりも、手段に移る前の、基本認識に狂いがあるからです。
その狂いを引き起こしている原因のひとつは、人類がこれまで慣れ親しんできたやり方、つまりあらゆるものを細分化して、小さい区切りのなかで思い思いに目的を追求するという手法です。実際には、私たちの現実は、すべてのものが相互につながって、ひとつの巨大な「全体」を造っています。それをきちんと見るには、視点を、すべてを見渡せる位置まで高く上げる必要があります。そして、決して「個別」にとらわれず、しかしそれらを無視せずに、「つながり」の部分を仔細に点検すると、個別と全体との「連関」が浮かび上がってきます。
狂いを引き起こしているもうひとつの要因は、正しく時代を読んでいないことです。未来で意味をもつ重要な出来事のほとんどは、既に起こっています。特に人類の意識の変容は、20年以上前からじわじわと進行していますが、この数年間は急速にそのピッチを上げて、古いパラダイムを崩壊させつつあります。これについても、視点を十分に高くすれば、時代の流れの大きさと方向を感じることができます。
このように、視点を「宇宙のレベル」まで高くして、人類の実相を観察した結果、このシリーズ第1部が生まれました。そして、地球の現状に最もふさわしい言葉として、「混迷の星」を選びました。それは、「前提」が急速に変わりつつあるのに、依然として古いパラダイムの実在を信じて、旧来の手法を飽きもせず適用しようとしていること---そこから混迷が起こっているのです。しかし、その混迷のなかにも、かすかな「曙光」があり、人類の未来は決して悲観すべきものではありません。「新生地球」のための、「生みの苦しみ」は或る程度避けられないとしてもーーー。
いまは、人類の「完全な覚醒」への過渡期です。これまでの「分離劇」はまもなく幕を引き、「宇宙大祭」に引き継がれるはずです。
1999年 夏至の日に
小松英星
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